
NHK FM でやっている、「ゴンチチの世界の快適音楽セレクション」という番組が好きでよく聴いている。私は昨年初めてこの番組を知って聴き始めたのだが、ゴンチチの2人のまったりとした喋りと、選曲の多様さが魅力の番組である。1999年からもう26年も続いている長寿番組だが、先日、番組開始当初の回を再放送する回があった。若い頃のゴンチチの2人が、早口でテンポ良くしゃべるのにかなり違和感を感じたが、そこで読まれていたリスナーからのお便りと、それに対するゴンチチさんのコメントが心に残ったので紹介したい。
それは、70代のリスナーからのお便りで、いつも楽しく聞いているので頑張って、といった内容のものだったが、あて名が「ゴンチチ」ではなくて、ボンキチとなっていて、しかも漢字で「凡吉さんへ」となっていた。ちなみに、ご存じない方のために、ゴンチチとは、ゴンザレス三上とチチ松村の2人組のギターデュオグループの名前である。お二人のどちらかがそのお便りを紹介していて、一応、凡吉ではなくて、ゴンザレスとチチでゴンチチというグループ名ですと訂正はしたが、高齢のリスナーから温かいメッセージをもらったことが嬉しくて、「もう、この方にとっては、我々は凡吉でええですわ。」と言っていたことが心に残った。聞き間違えや思い込みを訂正するのではなく、楽しんで、ま、それでいいか、と認めてしまう、その気楽さが心地よかった。
このブログのテーマの1つである「なりよく生きる」の「なりよく」は、無理なく、自然のありように沿ってと言った意味合いの古い三河弁だが、ゴンチチさんの「我々は凡吉でいい」は、その人の言うことを認めて、敢えて否定せず、それでいいと言う感じで、「なりよい」に通じるものがあるように思う。ちなみに、ゴンチチの音楽も、お風呂で聴くのが似合うような、ゆったりとした曲が多く、たいていの場合、聴くと癒される。
ビートルズの”let it be”は、バンドの分裂など、思い通りにならない時期に、ポール・マッカートニーが母親の夢を見て、あるがままに、それを無理に変えようとせずに受け入れなさい、とささやかれたことがきっかけでできた曲だと言うことだ。英語の “let” には、あるがまま、なすがままにさせると言ったニュアンスがあって、「なりよい」と近い感じがするが、英語には、もう1つ、”allow”という言葉もある。こちらは「許す」と訳されることが多いかもしれないが、単に「許可する」のではなく、そうしたいんなら、ま、それでもいいよ、と相手の言い分を認める感じの、緩いニュアンスもあるように思う。let の「なすがまま」に放任する感じよりも、allowの「それでいいよ」は、人の心が介在した言葉のように感じる。
ゴンチチの三上さんと松村さんのまったりとしたおしゃべりを聴いていると、あまり気張ってもしょうがない、ま、気楽にやったらええねん、と思えてくる。悪く言えば投げやり、主体性がない、みたいにも感じるが、良く言えば自然体で、肩ひじ張らず、緩く、いろんなことをallowして生きていきまひょ、と言っているような気がする。私も、もう還暦を過ぎて3年も経つが、まだまだいろいろallowできないこともある。でも、何かと窮屈なこんな時代だからこそ、ゴンチチさんを見習って、緩く、なりよく生きてゆけたらと思う。
2025.11.15
写真:Google Geminiに、銭湯「亀松湯」の暖簾を描いてと頼んで描いたもらったもの。漢字やカタカナがかなり変だったので、手で修正した、AIとの合作。イメージ通りの暖簾を描いてくれて、Gemini やるじゃん!と思った。他の画像生成AIもたまに使うが、やっぱりGeminiが一番意図をくみ取ってくれる。
(ちなみに、著作権はありません)(以下、AIに与えたプロンプト)
ギターデュオグループのゴンチチがNHK FMで毎週やっている番組に「世界の快適音楽セレクション」という番組がある。この番組の中で「亀松湯~」というコーナーがあって、チチ松村さんが銭湯の親父さん役で、ゴンザレス三上さんに、お湯につかりながら聴くのによい楽曲を紹介する。このコーナーにちなんで、銭湯、亀松湯の、暖簾をデザインして。亀と松がデザインされた、おしゃれなのれんにしたい。

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