2024/04/14
ロルフィングのセッション中、あるいは終了時に、「歩いてみてください」と言うことがある。歩行のクオリティを観察してセッションの戦略を立てたり、そのセッションの結果を評価するためである。
ボウルダーでのトレーニング中、「歩いてください」と指示を出す場面は多かったが、これは、”Take a walk.”なのだった。最初のうち、なんとなくしっくり来なかったのだが、だんだんtakeの感覚がわかってきて、違和感なく言えるようになってきた。takeも使い慣れると非常に便利な基本語である。「大きく呼吸してください」は、”Take a full breath.”だし、「ちょっと休もうよ」は”Let’s take a break.”で、これも良く使うフレーズ。同様に、「膝を曲げてください」は、”Take a knee bend.”である。余談だが、「膝を曲げて」は、簡単に”Bend your knee.”と言うことが多かったけれど、これは、どう聞いても、「便所にぃ」と聞こえたので、膝曲げを促す時は、クライアントに「便所にぃ」と言っていたが、通じなかったことは一度もなかった。give and take は日本語にもなっている。恩恵を受ける一方ではダメで、貢献もしないとね、と言うニュアンスで使われることが多いように思う。確かに、giveとtakeは与えることと受け取ること、という対照的な意味があるが、先ほどの、深呼吸をして、の”Take a deep breath.”を、”Give me your deep breath.”と言っていたクラスメートもいた。ロルファー(プラクティショナー)が、ロルフィー(クライアント)に、「私にあなたの呼吸を下さい」と言って、呼吸を促しているのである。ここでは、giveとtakeは、反対の意味ではなくて、同じような感じで使える。
takeで思い出す音楽がいくつかある。松井選手が大活躍のアメリカ・メジャーリーグでは、7回表が終わった後、”Take Me Out to the Ball Game.”を歌う。昔からの慣わしのようである。日本人選手の出場する試合は、日本に居ながらにしてNHKの衛星放送でメジャーリーグのゲームを観戦できる時代なので、テレビでこの曲を耳にした人も多いと思う。
ボウルダー滞在中に、クラスメートと一緒にデンバーのクアーズ・フィールドに、コロラド・ロッキーズとヤンキーズのゲームを観戦に行ったことがある。この頃は、松井秀喜はレフトで出場していたし、ロッキーズでは松井稼頭男がセカンドで出ていたので、ダブル松井を生で見られた。たまたま、今日の新聞の一面は、松井秀喜ワールドシリーズのMVPの獲得である。ほんとにすごい人だと思う。松井の「不動心」は私も好きな本の1つで、子供にも読ませた。どんな時にも不動心を忘れずにいたいものだと思う。ダブル松井のゲームでも、7回に”Take me out to the ball game.”が流れて、球場にいる全員が、みんな歌っていて、何か、心が1つになったようで、ほのぼのとした幸せを感じたものである。
takeで思い出す音楽の2つめは、ポール・デズモンドの take five である。昔、何かのCMでも使われたジャズのスタンダード・ナンバーで、気持ちよくスゥィングする感じで、好きな曲の1つである。この題名、5をtakeしようと言うのは、5拍子を楽しむ、と言う意味と、5分ぐらい休もうよ、と言う2つの意味が掛けてあるらしい。実際曲の長さは、約5分になっている。
2009.11.6(金)
写真:Wikipedia「松井秀喜」より。