円環と直線

旅考・その6、円環と直線・その2 ~ 円環の旅と直線の旅

旅考・その1で紹介した、「SevenStars 星が流れた夜の車窓から」という本の中で、糸井重里さんが「帰るところがあるから、旅人になれる」という短文を書いている。JR九州の豪華観光列車「ななつ星」が、博多発博多行きの周遊の旅であることにつ...
旅考

旅考・その5 〜 旅の歌は片道の旅

チューリップの「心の旅」という曲がリリースされたのは1973年なので、若い人は多分ご存知なかろう。こんな歌詞で始まる曲である、”あーだから今夜だけは君を抱いていたい、あー明日の今頃は僕は汽車の中〜”。上京のため離れ離れになってしまう恋人同士...
旅考

旅考・その4 ~ 芭蕉と李白、旅人の先達たち

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。」松尾芭蕉の「奥の細道」の有名な書き出しである。子供の頃からなぜか好きな文章で、声に出して読んでも調子がよく、今でも時々口ずさむことがある。でも、その意味は、考えてみると奥深くて、よくわか...
旅考

旅考・その3 ~ ヒト、旅をする生き物

私たちは、生物学的には、ホモ・サピエンス(現生人類)という種に属する生き物である。その起源については、これまで、世界各地の「原人」や「旧人」が、各地で交雑しながら現生人類に進化したという「多地域進化説」が定説となっていた。しかし近年、ミトコ...
旅考

旅考・その2 ~ ペイル・ブルー・ドット

ボイジャーは、1977年にアメリカ航空宇宙局 NASA が打ち上げた惑星探査機で、2023年現在、地球から230億kmの彼方を、時速約6万kmで飛び続けている。1号、2号と2台あって、それぞれ別の方向に飛んでいるが、地球からの距離はだいたい...
リアルとバーチャルの間

旅考・その1 ~ 妄想旅

友近・礼二の妄想トレインというテレビ番組が好きで、ほぼ毎週見ていて、もう1年以上になる。月曜の夜9時からBS日テレでやっている番組で、結構人気があるようだ(2023年1月時点)。コロナで移動が制限されて、旅行会社がバーチャルツアーを売り出し...
見た目と中身

見た目と中身・その4 ~ プレゼン

「佐藤可士和のクリエイティブシンキング」という本の中で、佐藤さんはプレゼンについて、こんな内容のことを言っている。若い頃は、見せ方の演出をしたり受けを狙ったり、肝心の内容よりうわべを気にして、表層的なテクニックにばかり気を取られていた時期が...
科学考

見た目と中身・その3、科学考・その13 ~ 実在論と実証論

量子力学で言う「量子」はまったくとらえどころがない。何せ、観測されるまでどこにあるのか原理的にわからないのだ。実験のやりかたとか精度とかの話ではない。「観測」という行為と量子の「存在」という2つの事柄が、この世界では分かちがたく結びついてい...
見た目と中身

見た目と中身・その2 ~ ダックタイピング

"If it walks like a duck and quacks like a duck, it must be a duck."「アヒルのように歩きアヒルのように鳴くのなら、それはアヒルに違いない。」「ダックタイピング」というプログ...
見た目と中身

見た目と中身・その1 〜 チューリングテスト

チューリングテストとは、1950年に、アラン・チューリングさんが提唱したAIに関連したテストで、以下のように行う。人間の判定者が、キーボードとモニターを通して、AとB、2つの対象と、言語で対話をする。A、Bのどちらかは人間で、どちらかは機械...