名前考

名前考・その4 〜 本当の名前

万葉集の巻頭歌は、雄略天皇が、野原でハーブを摘んでいる女子をナンパする歌で、美しい娘に一目惚れして「家はどこですか、名前をおしえて!」と迫っている場面を詠んでいる。古い言葉では、「家告(いえの)らせ、名告(なの)らさね」と書くらしい。解説(...
名前考

名前考・その3 〜 種の名前と個の名前

File source:  ものには名前がある、そんなの当たり前だって?本当にそうだろうか。空を飛ぶ鳥には、「ツバメ」とか「すずめ」とか名前がついているじゃないか、と言うかもしれない。でもそれは鳥の種類の名前であって、眼の前を飛んでいった、...
名前考

名前考・その2 ~ 分ける言葉、統べる言葉

Rolfing(ロルフィング)というボディワークを施術する人をRolfer(ロルファー)と言うが、私は40代の後半に、数年間Rolferを職業としていた時期があった。Rolferを名乗るためには、認定スクールを卒業する必要があるが、認定コー...
名前考

名前考・その1 ~ 固有名詞

Kenny Gの曲を聴いていたとき、心動かされるメロディーに出会って、曲名を確かめたくなった。スマホの画面を見ると、"In The Rain" とあった。しんみりとした中にもハッピーな感じの曲で、多分、雨の中幸せなことがあったのだろうなと思...
自由考

自由考・その3 〜 ビジネスリュックと二足歩行

先日、通勤用にビジネスリュックを買った。今までは手に持つタイプのよくある普通のカバンだったが、リュックを背負っていつもの通勤の道を歩き始めた途端、両手を振って歩けることに、何と自由なのだろうかと思って、ちょっと感動した。たかが両手が自由にな...
プロセスと目的

プロセスと目的・その1 〜 最高の棋譜を作り上げる

2020年の今、藤井聡太二冠の活躍で将棋が盛り上がっているが、今ほど将棋ブームではなかった2018年、当時の佐藤名人が羽生さんの挑戦を退けて名人を防衛した年、「羽生善治とAIの時代」というTV番組を見た。その中で当時の佐藤名人がこんなことを...
オンライン考

オンライン考・その2 〜 サブスクの時代

音楽は今や、定額制のサービスに契約して、サブスクで聴くのが普通になっている。学生時代に街のレコード店でLPレコードを買って、家のターンテーブルに載せて針を下ろして音楽を聞いたことのある世代にとっては、何と便利な時代になったものかと思う。流行...
オンライン考

オンライン考・その1 〜 オンラインとオフライン

コロナでオンラインが世界中で広がった。90歳になる親が、都会に住む孫とオンラインでコーヒータイムの会話をしているのを見ていると、オンラインは人と人をつなぐ技術であると改めて認識させられる。ビデオ通話は、もう何年も昔からあるサービスだが、今の...
部分と全体

部分と全体・その4 〜 観客も含めて野球

今年はコロナで野球観戦できるのだろうかと思っていたが、2ヶ月遅れで無観客で開幕して、昨日からは人数限定ではあるものの、観客が入っての試合が始まった。一方で東京では感染者が1日200人を超え、5,000人もの人が集まる場所を作ってよいものかと...
宗教考

言葉の限界・その2、宗教考・その3 〜 空海と最澄

司馬遼太郎さんの「空海の風景」を初めて読んだのはずいぶん昔のことだが、最近もう一度読み返す機会があった。今から1,200年も昔に生きていた人だが、司馬さんの手にかかると、まるで目の前を空海さんが駆け抜けたような、妙に生々しい人間空海が文字の...