2024/04/14

その本の中で、最初に紹介しているのが、「心を鎮める時間を持つ」と言うもの。これを読んだ時、ずっと昔に読んだ、「TM瞑想」という本のことを思い出した。TMは、Trans Meditationの略で、企業の研修にも取り入れられているという瞑想のやりかたについての本である。Trans Meditationと英語で言っても意味はよくわからないが、要するに、心を鎮める時間を持つ、と言うことである。瞑想のやり方も、極めてシンプル。ただ、静かな所で短時間でもよいからただボーっとしなさい、と言う教え。長谷部選手がこのTM瞑想の本を読んでいたとは思われないが、まぁ、言っていることは同じ。1日の中で、心を鎮める時間を積極的に確保しなさい、そして毎日続けなさい、と言うことである。確かに、それだけでも本当に毎日できれば大変効果はあるだろうと思う。何しろ、このせわしない世の中、本当に心を鎮める時間を持つことが出来ればそれだけでも生活の質はグッと上がるように思う。
そうは言っても、外界のノイズの入らない、安全な場所で、一人心を鎮める時間を取ることはなかなか難しいことも事実。早朝か、就寝前のひとときが候補になるが、私の場合、朝はめっきり弱い方で、定刻に起きるのがやっと。夜はと言えば、これまた、10分でも早く眠りたいと思うタイプの人間。そこで、毎日の通勤電車の中で、運良く座れた場合のみではあるが、瞑想してみようと思った。
ところが、やってみると、それほど簡単ではない。何しろ電車は、音がする。電車の音はもちろんするが、それはまだまし。ほぼ3日に2日は、心ない人がデジタル・オーディオを聞いている耳障りな音漏れがするし、不必要なほどの音量での車内放送があるし。私も娘も、電車で他の人の音漏れが気になるので、自分が聞いているときに音漏れがしないかを、家で相互にチェックし合った。普通の神経の持ち主なら、それくらいはするものだと思うが、電車内で平気で音漏れをさせている人の神経は、全く理解を超えている。そんなことに腹を立てていると、瞑想どころではない。更に、電車は揺れる。心地良い揺れは、瞑想より眠りと近しい関係にある。電車内は、どうも瞑想には向かない。電車の中で瞑想できる人は、よほどの達人だと思う。
やはり、眠いのを我慢して、就寝前に静かに座ってみるのがよいのかもしれない。早速、今夜からやってみよう。毎日心を鎮める静かなひとときを持つこと。質の高い人間は、案外皆さん実践しているのではないかと思う。
2011.7.3(水)