2024/04/14

SDGs(Sustinable Development Goals)は、数年前から話題だったので、感度の良い方ならとっくにご存知だろうが、一応説明しておくと、2015年9月の国連サミットで採択された、持続可能な開発のための17の目標のことで、貧困や飢餓の撲滅を始め、ジェンダー、教育、健康、環境、多様性など「こんな世界になってほしい」という、世界が協調して目指す方向を示したした文書である。(日本の外務省のSDGsのページ)
持続可能な社会を目指すものなので、当然、人間や社会に関するもが多くてよいのだが、私の感覚では、より「地球環境」に焦点をあてたものになっているとよかったなと思う。なぜって、人間も社会も、地球環境が破壊されれば存在できないので、その大前提を整えておくことが、何よりも優先されるはずだと思うからだ。その他の課題を軽く見てよいと言うわけでは決してないが、生き物の住めない星に、人間社会の問題もない。
そんな、「環境」が、Goalsの中でも別格に大切ではないかと思って、17のGoalsを読んでみると、環境に関するGoalは、G.6の水と衛生、G.7のエネルギー、G.13の気候変動、G.14海の環境、G.15陸地の環境、の5つで、数としては他の分野よりも多いようには思う。中でも気になった目標が、Goal13の気候変動に関する目標である。この問題は目標の中でも最重要だと思うのだが、順番としても13番目で、自分としてはGoal1でもよいのではないかと思うし、上の段落でリンクした外務省のページに載っていた、日本語「仮訳」がちょっと今一つだったのが引っかかった。
Goal13の英文は、
“Take urgent action to combat climate change and its impacts”
で、仮訳は、
“気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる”
となっている。
combatのイメージは、「戦い」で、軽減する、などという生易しい感じではない。SDGsの精神をより強く伝えるためには、意訳にはなるが、こんな訳はどうだろうか。
“気候変動をくい止め、その影響に対抗するために緊急対策を講じる”
SDGsのために弁明しておくと、このG13は、唯一注釈が付いているゴールで、欄外に、気候変動に関しては、国連気候変動枠組条約(UNFCC : United Nations Framework Convention on Climate Change)が国際的な枠組みであると書かれている。SDGsは気候変動に関しては細部に立ち入らず、UNFCCに任せる、というスタンスなのであろう。
ともあれ、SDGsは、現代にあって、読むに値する文書であることは確か。まだ目を通してない方はぜひ一読をお勧めする。
2019.10.22(火) 即位礼正殿の儀で日本全国お休みの日
写真:amazonで購入してしまった、SDGsピンバッチ