2024/04/14

決まったコースもよいが、私の特技は、見知らぬ土地でも、知らない道を適当な方向に歩いてウォーキングコースにしてしまうことである。コロラド州ボウルダーのロルフ・インスティテュートへ通っていた頃も、ホームステイ先の家を中心にウォーキングしているうちに、徐々にほぼ決まったウォーキングコースができた。会社勤めの時代には、見知らぬ土地ではなかったが、昼休みには、オフィス近辺で、歩いたことのない方角を求めて、5~6コースを開拓した。その頃は多忙を極めており、昼休み以外には歩く時間がなかったし、それが唯一の気分転換であった。
自宅近くのコースの良いところは、田んぼや畑など、人間の作った自然の中を歩くところである。私は匂いに敏感な体質で、土や草や空気の匂いに癒される。特に春、あたたくなって空気が緩んでくる頃、まさに春の匂いとしか言いようのない、独特の土の香りは、それこそカンヅメにして保管しておきたい程のファンである。名駅ワークルームの近辺は、街中なので当然そんな自然の匂いはない。しかし、街には街の匂いがあって、それはそれで悪くはない。
岡崎中央総合公園、通称、中総(ちゅうそう)は、岡崎の東部丘陵地帯の山の中に作られた広大な公園で、野球場、体育館は言うに及ばず、サッカー場、テニスコート、弓道場、多目的グランド、はたまた相撲の土俵などの運動設備が多数点在している。更に、美術博物館が併設しており、美術館前から体育館に至るプロムナードは、岡崎市街を見下ろす美しい通りで、私のお気に入りのコースである。山間地帯なので、空気はよいが、田畑はないので、残念ながら自宅近辺のような土の香りはない。しかし、美術館横に作られた池の周りの林道では、緑の香りがすばらしく、中総主催のウォーキング教室では、このあたりを歩くらしく、時々、ゼッケンをつけて歩いている一団に出会うことがある。
さて、これから冬に向かい、歩くのが億劫になる季節である。防寒具を身に付けても、頬に当たる風は冷たく、毎年、冬の時期、特に雪の降りそうな日には、歩きに出なければよかったと思う日もしばしばある。でも、我慢して歩いて戻ってくると、体は温まっており、寒さが厳しかった分、歩き終えた充実感もまた、季節の良い時期よりも大きいように思う。私の生涯の目標の1つに、死ぬ前日まで毎日歩くこと、と言うのがある。歩き続けられる限り、健康で生き続けることができるように思う。今日も、寒さに負けずに、レッツ・ウォーク!
2009.12.15(火)