Deep Breath

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続メモ考・その4 ~ 手書き vs スマホ?

time 2012/01/17

 今朝、ニュース番組の特集コーナーで、紙のメモやノートが人気だというレポートをしていた。スマホ全盛の時代に、手書きの良さに気付く人が増えている、ということだろう。以前、このブログでも「メモ考」と題して、手書き・アナログの良さについて綴ったことがあるが、世の中、私と同じように感じる人が増えているということで、なんだか嬉しくなった。

そのコーナーの中で、手書きのノートと、スマホのメモを比べて、どちらが「速く」メモを取れるか、という実験をしていたが、これにはとても違和感を覚えた。結果は、ふつうのメモなら紙の方が圧倒的に速いが、画数の多い難しい漢字がいくつもあるようなメモでは(そんなメモがあればの話だが)スマホの変換機能があったほうが速い、という結果だった。この実験、あまりにも何も考えてない気がして、ちょっと残念だった。

私もスマホユーザーだが、スマホでメモを書こうなどと思ったことはない。スマホより手書きメモだよね、と思っている人に、どちらが「速いか」という比較について尋ねたら、そんなの意味がない、と答える人も多いのではなかろうか。手書きがいいと思っている人は、紙に書く感触、手で書いた文字の形や、後から書き足したごちゃごちゃした感じ、ちょっとしたイラストなど、電子的なテキストにはない価値を見いだしているのだと思う。

メモに「速さ」は重要だということは認める。何かふと思いついたことをメモしておかなくて、後で、「なんだったっけ、あれ」と悔しい思いをすることはよくある。その反省から、私はメモをなるべく持ち歩くようにしていて、できる限り、思いついたその場で書くようにしている。でも、速さだけが重要なら、スマホのボイスレコーダーでメモを録音すればよい。書くより速い。ただ、見直すのには、ボイスメモは不便すぎるので、今のところ私のメモツールには入ってはいないが。

去年のクリスマスに、高1と大学1年の息子と娘に、モレスキンを一冊づつプレゼントした。使っているかどうかは不明であるが、、、。私自身は、ITの仕事をし、大学でIT関係の講師をしたりしている身でありながら、アナログ的な価値観に共感している人間である。デジタルにはデジタルの良さが、アナログにはアナログの良さがある。昨今のスマホ・デジタル全盛時代に、どちらが速いかというゼロイチ的な価値観でしかものを考えられないような人間にはならないようにしたい。もっと多様でアナログ的な、手書き文字を愛する感性を大切にしたいと思っている。

2012.1.17(火)
写真:使用中のMoleskineとGalaxySII

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Toshi's Profile

会社員(製造業・雇用延長)。元SE、元大学非常勤講師、元ロルファー。DIYと散歩とメモが趣味。Moleskineを持ち歩いている。愛知県岡崎市在住。
toshi@ueba.sakura.ne.jp
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