2024/04/14

ゴルフというスポーツを楽しいと感じる理由の1つは、青空の下で広々としたコースを、健康的に歩き回るというところにあると思う。月いちペースでコースに出るようになって1年弱になるが、未だ雨に降られたことがなく、この異常気象時代にしては悪運が強い。ただ、今年、2024年の夏は、観測史上初の記録を出し続けた猛暑で、こんな日にゴルフなどやったら焼け死ぬのではないかと言うような日に予定を入れてしまうと、60過ぎのシニアゴルファーにとっては、スコアよりも、熱中症にならず何とか無事に18ホールを回り切るということが目標になったりする。ま、それはそれでよいと思う。
これが体育館のようなエアコンの効いた室内でやる、例えばバスケットボールのようなスポーツであれば、季節や天候に関係なく、一年を通してある程度安定した環境で競技を楽しめる。どっちが良いという訳ではないが、ゴルフは、季節や天候により、プレーは大きく影響を受ける。夏は芝の勢いがよく、ラフが深いが、冬のコースは茶色っぽく、同じコースでも景色や体感が全く違う。特に風の強い日は、風に負けまいと力んでしまい、ただでさえ曲がりやすいショットが、更に曲がってボールを池の底に沈めてしまうことになる。
スポーツを、自然環境という軸で分類してみると、先にあげた、完全に人工環境下でやるバスケやバトミントン、水泳、スケートのような競技から、完全に自然環境下でやる登山やサーフィン、ヨット、山岳スキーのようなスポーツまで幅が広い。その中で、ゴルフというのは、屋外ではあるが、入念に作りこまれた人工的なコースで行うスポーツであり、自然相手ではあるが、人工的な環境でもある。言わば、自然環境と人工環境のちょうど中間に位置するスポーツだと言える。サッカーや屋外球場での野球も、自然の影響を受ける人工環境であるが、ゴルフより人工要素が強い。冬のスポーツではあるが、スキーのスラロームは、自然の中に人工的なコースを作ってやる競技という意味で、ゴルフに近いが、ゴルフのような常設のコースと違い、大会ごとにコースを設営するので、スキーの方がより自然色が強い。
ゴルフの楽しさの理由は、この、人工的に作られた自然環境下での競技というところにあるように思う。完全に自然に立ち向かうわけでもなく、完全に人工的な場でもない、この中間地点という心地よさがある気がする。ちょっと、こじつけかもしれないが、複雑系の科学という分野でも、静的な秩序と混沌としたカオスの中間領域で、生命のような複雑な自己組織化現象が現れると言う。中間領域が楽しい、という感覚に何となく近い気がする。もちろん、スポーツ観戦好きなので、バスケでもサーフィンでもテニスでも、一流選手のプレーはどれも楽しめるんだけどね。
2024.10.31.木
写真:スラローム選手のイラスト・フリー素材
コメント
[…] 自然と人工の間では、里山とか庭園などについて、自然物でありながら人工的に作られたものであって、自然と人工の間にある存在であるとか、似たような話で、ゴルフというスポーツについて、人工的な環境でプレーするバスケやバドミントンのようなものと、自然を相手にする登山やサーフィンのようなスポーツのちょうど中間に位置するもので、人工的に作られた自然の中でプレーするところに面白さがあると考えたりした。 […]
by 境界考・その3 ~ 境界と「間」 | Deep Breath 2025年3月29日 11:20 AM