2024/04/14

60を過ぎて周りの友人が暇になってきたせいか、ゴルフに誘われた。それで、若い頃少しだけやって、長いこと中断していたゴルフを、二十数年ぶりに再開した。月一ペースで平日に休暇をとって近場のコースに行く程度だし、若い頃ほど体は動かないし、飛ばないし、疲れるのであるが、友人同士での気楽なラウンドは、それなりに楽しい。
ゴルフは、基本的には個人競技で、相手がいるわけではないので、自分でコントロールできることが多いと思うかもしれない。でも、クラブとボールの接触は一瞬で、ひとたびクラブから放たれたボールは、もはや自分ではコントロールできない。冷徹な重力(と流体力学)の法則に従ってボールは落ちるべきところに落ちる。それは、池の中かもしれないし、林の中かもしれないし、隣のコースかもしれない。でも、それがたまたまグリーンを狙う絶好の位置に落ちたりするので、それが自分のコントールしたことだと思ってしまう。ボールは単に重力の法則に従っただけだ。どんな球を打ちたいかの作戦を立て、体のどこに力を入れて、どんなふうにクラブを振るかはコントロールできる。しかし、自分でコントロールできるところはそこまで。ボールの行方自体を制御できるわけではない。
以前、大谷翔平選手が、インタビューで、どんな質問をされたのかは忘れてしまったが、「いや、それは自分でコントロールできることではないので。今は自分でコントールできることに集中してやっていきたい」といった内容の答えをしていたことを思い出した。自分が何とかできることと、自分ではどうしようもないことがある。その時に、自分の力が及ばないことまで自分でコントロールしようとしないこと、自分のできることに集中して、精度良くそれをやっていくこと。それが最善の結果を出す秘訣だと教わった気がする。何という選手だったは忘れてしまったが、優勝したボクシングの選手も、緊張への対処法として、自分のコントールできることに集中することが大事、と言っていた。一流のアスリートに共通するメンタリティーなのであろう。
とは言え、林の中にグッバイしてしまったボールを、重力だけのせいにするわけにもいかない。打ってしまったのは自分。やっぱりミスショットの原因は、自分がスイングをコントロールできなかったことにある。ゴルフボールの行く先は、自分のスイングと重力と風の共同作業の結果。せいぜいYouTubeのレッスン動画でも見て、練習場に通って、コントロールできることを増やしていこうと思う。
2024.10.20.土 先週手首を痛めたので、今週は練習場はやめておく。やめておくことはコントールできる。
写真:ゴルフクラブとボール