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太陽礼賛・その1~太陽の素顔

time 2010/06/15

 最近、太陽に関する本を読んで、私たちの一番身近に輝いている、太陽という星について、意外と無知だったことに気付かされた。太陽は、宇宙の中ではごく普通のありふれた恒星であること、寿命は約100億年で、今は約半分の50億歳であること、太陽は内部でも表面でも、すさまじい爆発が絶え間なく起こり、活力に満ち溢れた活動をしていること、太陽表面の巨大な爆発で、地球も大きな影響を受けていること、中でも、地球というシステムや、我々生命体は、太陽エネルギーが作り出したものであり、太陽によって生かされているということ、なんとなく気付いてはいたが、明確に心に感じたことのなかった太陽の偉大さ、みたいなものを感じて、自分の命と太陽との関係について想いをめぐらせた。

太陽、その半径69万6000キロメートルは、地球の約100倍。重さはキログラムで表すと、2の後にゼロが30個で、地球の約33万倍!。表面での重力は、地球の約28倍。地球からの距離、1億5000万キロメートル、これは、地球から太陽まで太陽を並べたとしたら、約100個、もし地球を並べたとしたら、1万個並べた距離になる。中心部の温度1500万ケルビン。ケルビンという温度の単位は、日常に使う℃の温度-273なので、太陽ほどの高温では℃で言ってもケルビンで言ってもほとんど違いはない。この高温を作り出しているのは、中心付近で起きている核融合反応による。

太陽表面に現れる「黒点(こくてん)」の写真では、太陽の内部から、強い圧力で押し出された巨大な磁力線が、表面を突き破って出ている様子が見事に撮影されており、その写真を見た時、太陽の巨大な力を感じて、少し恐くなった。フレアと呼ばれるプラズマの流出現象は、大きなものでは、地球の大きさの数十倍以上にもなる壮大な爆発現象で、これも、強大な磁力線が粒子を吹き飛ばす現象だと言う事だ。地球サイズを大きく上回る爆発現象!私にはとても想像できない。それだけに、敬虔な気持ちにもなる。

古来から太陽は、洋の東西を問わず神として神話に登場し、人々に信仰されてきた。人工衛星が飛び、様々な波長の電波で星を観察することができるようになった現在、昔は神だった天体が、科学の言葉で説明できるようになってきた。太陽の研究者によれば、まだまだ太陽活動には分からない点が山ほどあるらしいが、昔に比べればかの星についての知識は飛躍的に増えている。太陽が神ではなく、プラズマの塊りだということが分かったからと言って、そのエネルギーや輝きが昔と変わったわけではない。神がモノになったと感じるのは、科学的なセンスに乏しい人であろう。むしろ、その素顔を詳しく知ることで、ますます、より身近にその偉大さを感じ、太陽のありがたさを深く感じる心こそが、真に科学的で、人間的なセンスのある人のように思う。
2010.6.15(火)
写真:国立天文台「ひので」のページより、太陽黒点。
http://solar-b.nao.ac.jp/news/070321Flare/me_20061208_15arrow_0025.jpeg

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Toshi's Profile

会社員(製造業・雇用延長)。元SE、元大学非常勤講師、元ロルファー。DIYと散歩とメモが趣味。Moleskineを持ち歩いている。愛知県岡崎市在住。
toshi@ueba.sakura.ne.jp
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