2024/04/14

太陽、その半径69万6000キロメートルは、地球の約100倍。重さはキログラムで表すと、2の後にゼロが30個で、地球の約33万倍!。表面での重力は、地球の約28倍。地球からの距離、1億5000万キロメートル、これは、地球から太陽まで太陽を並べたとしたら、約100個、もし地球を並べたとしたら、1万個並べた距離になる。中心部の温度1500万ケルビン。ケルビンという温度の単位は、日常に使う℃の温度-273なので、太陽ほどの高温では℃で言ってもケルビンで言ってもほとんど違いはない。この高温を作り出しているのは、中心付近で起きている核融合反応による。
太陽表面に現れる「黒点(こくてん)」の写真では、太陽の内部から、強い圧力で押し出された巨大な磁力線が、表面を突き破って出ている様子が見事に撮影されており、その写真を見た時、太陽の巨大な力を感じて、少し恐くなった。フレアと呼ばれるプラズマの流出現象は、大きなものでは、地球の大きさの数十倍以上にもなる壮大な爆発現象で、これも、強大な磁力線が粒子を吹き飛ばす現象だと言う事だ。地球サイズを大きく上回る爆発現象!私にはとても想像できない。それだけに、敬虔な気持ちにもなる。
古来から太陽は、洋の東西を問わず神として神話に登場し、人々に信仰されてきた。人工衛星が飛び、様々な波長の電波で星を観察することができるようになった現在、昔は神だった天体が、科学の言葉で説明できるようになってきた。太陽の研究者によれば、まだまだ太陽活動には分からない点が山ほどあるらしいが、昔に比べればかの星についての知識は飛躍的に増えている。太陽が神ではなく、プラズマの塊りだということが分かったからと言って、そのエネルギーや輝きが昔と変わったわけではない。神がモノになったと感じるのは、科学的なセンスに乏しい人であろう。むしろ、その素顔を詳しく知ることで、ますます、より身近にその偉大さを感じ、太陽のありがたさを深く感じる心こそが、真に科学的で、人間的なセンスのある人のように思う。
2010.6.15(火)
写真:国立天文台「ひので」のページより、太陽黒点。
http://solar-b.nao.ac.jp/news/070321Flare/me_20061208_15arrow_0025.jpeg