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メモ考・その2~思わず書きたくなる小さなノート

time 2010/05/10

 モレスキンの良さを一言でいうのは難しい。あえて言えば、自分との相性と言うことだろうか。どんな道具でも、使う人との相性がある。自分はモレスキンととても相性が良いようだ。ぴったり手のひらに収まるハードカバーの小さなノートを持つと、無性に何か書きたくなる、そういうのを、相性がよい、と言うのだと思う。

しかし、相性と言うだけでは観念的すぎるので、もう少し言葉を費やして語ってみよう。まずは、紙のよさを挙げたい。手帳やメモ帳の紙はクリーム色であるべきだと信じているので、文房具店でサンプル品を手にとって開いたとき、ピンと来た。真っ白い紙に何か書くのは、どこか疲れる。蛍光灯も白より電球色が好きだ。白がいいのは、ウェディングドレスか、スケッチブックの紙ぐらいだろう。何かを書いたり、自分の書いたものを読み返したりする時、クリーム色の上質な紙に書かれたものは、白い紙に書かれるものと、何か質的な違いを感じる。道具とは、そういうものだと思う。

紙と同様に、その方眼もよい。モレスキンにも、他のメモ帳と同じように、無地、横罫、方眼などの種類があるが、圧倒的に方眼がよい。これは私だけでなく、他のメモ好きな人も同じ意見であるようだ。そう言えば前回も触れた「ほぼ日手帳」も方眼だった。ほぼ日は3.7mmと、ちょっと狭めのミシン目の方眼だが、モレスキンはぴったり5mmの目立たない実線の方眼である。好みに依るだろうが、私には5mmぐらいが丁度良い。文字や図を書くガイドとして、写真を貼る目安として、絵や図を描く時にはじゃまにならない方眼、これがピッタリくる。

そして、何と言ってもハードカバーである。机上で書くことのほうが少ないのがメモ帳の宿命、ハードカバーは思いのほか使いやすい。ハードカバーのノートを開くとき、何か背筋がピンと伸びたような、潔い感じや、そこに書かれた中身が大切にされているような、そんなイイ感じがする。そして、角の丸みがまたグッドである。これも好みだろうが、四角張ってなくて、とても親しみやすく優しいデザインである。

逆にモレスキンに限らず、普通のメモ帳に足りないのは、あたりまえだが、月間や週間のようなスケジュールが書けないことだ。もちろん、モレスキンにもスケジュールやダイアリーなどの種類もあるが、私はスクェアドノート(方眼)を使いたい。それが本来の使い方のように思うからだ。他にも、筆記具をセットできない、1冊終わったら代替わりしなければならないなどの不便な点がある。いわゆるシステム手帳であれば、これらの点は、リフィールを必要な種類だけセットし、筆記具をセットできるタイプのものを選べば解決する。このような不便な点があるにもかかわらずモレスキンノートにはそれを補って余りある魅力を感じる。

そこで、スケジュールもペンホルダーも自作してみた。方眼を利用して、週間スケジュールのフォーマットを書いてみたら、かなり使えるし、筆記具も、システム手帳用のペンホルダーをハサミで切って、モレスキンの裏表紙のカードポケットにはさんでみたら、ピッタリ使える。こんなふうにカスタマイズして自分好みに改良することは、DIYerを自認する私としてはこれ以上ない喜びなのである。そんなところも私とモレスキンの相性の良さなのだろう。
2010.5.10(月)
写真:自作のペンホルダーにシャープ(ZEBRA ColorFlight)を挿した状態

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Toshi's Profile

会社員(製造業・雇用延長)。元SE、元大学非常勤講師、元ロルファー。DIYと散歩とメモが趣味。Moleskineを持ち歩いている。愛知県岡崎市在住。
toshi@ueba.sakura.ne.jp
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