2024/04/14

先日、久しぶりにDIYをしたとき、ほどけないようにロープを結ぶ必要があって、ネットで結び方を調べる機会あった。DIYerを自認しながら、本結びのような基本が身についてなかったことを今更ながら恥ずかしいと思いつつ、「本結び」を検索すると、写真を次々に進めながら結び方がわかるように説明されているサイトがすぐに見つかって、思いの外苦労せずに本結びが結べるようになった。
最初、結び方を説明した写真を進めたり戻したりして、目の前のロープを結んだのだが、そのとき、紐の結び方は、文字で伝えるのはとても無理だと思った。写真なら一目瞭然、百聞は一見に如かずという諺は誰でも知っているが、言葉で伝えられることの限界を改めて感じた。それで、自分で結んだ本結びの結び目を前にして、言葉で伝えられないものについて考えてみると、世の中、言葉で伝えられることは意外と少ないということに気がついた。
例えば、太極拳ができるようになろうと思ったら、教室で習うのが一番近道だとは思うが、本屋でDVD付きの入門書を買ってきて、ビデオを見ながら練習できる。ちなみに自分はそれで何とか24式を通した動きができるようになった。これが、DVDなしで、本に載っている写真と文字だけで独習しようとすると、とても時間がかかる上に、身につく精度も悪いだろう。
もう一つ例を挙げると、最近開幕したプロ野球で見かけた、ヤクルトスワローズのマスコットキャラクター「つば九郎」である。これが意外に面白いキャラで、ついYoutubeなどを見てしまったのだが、その面白さを言葉で伝えるのは難しいし、言葉で書いたとしても、映像を見ることの百分の一も伝わらないだろうと思う。そうではあるが、あえて言ってみると、着ぐるみの顔は可愛いが、メタボ体型で、言うこと(筆談だが)も行動もオッサンキャラというギャップがなんとも面白く、我がドラゴンズのドアラの親友といった交友関係もあったりして、魅力的なキャラになっている。これも、Youtubeなどでその姿と言動を見れば、伝わる人にはすぐに伝わる。
本結びにせよ、太極拳にせよ、何かを身につけるときに映像や画像が大きな助けになる。そうして、こういった、言葉で伝わらないことを身に付けたとき、人生の質が一レベル上がったような気持ちになる。生きてゆく上で、ほどけないように紐を結ばなければならない場面は多くはないかもしれないが、そんな時に、サッと、確実に結ぶことができる人はやっぱりカッコいいと思う。そういう人に私はなりたい。
2020.6.28(日)
写真:本結び(自宅にて撮影)