Deep Breath

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DIYのココロ・その1~工夫することが楽しい生方

time 2010/01/11

  私の曾祖父(祖父の親)は、宮大工だったらしい。以前父親から、自分の祖父は宮大工で、子供の頃大工道具を跨いだだけでひどく叱られた、と言う話を聞いたことがある。どうやら私には、曾祖父の血が流れているらしい。神社仏閣を作りたいわけではないが、どんなものでも、「モノ作り」に心惹かれるのである。曾祖父の手掛けた寺社を一度見てみたいと思っているのだが、なかなか実行できずにいる。

会社勤めの時代には、なかなかモノ作りなどする時間はなかったが、今の仕事を始めてから少しずつDIYを楽しんでる。DIYは、”Do It Yourself”の略で、モノ作りと言うよりは、「できることは自分でやろう精神」と訳した方が適切かもしれない。例えば、NHK教育チャンネルでやっているDIYの番組、「住まい自分流」では、モノ作りだけでなく、住まいの修理やリフォームの話題も多い。床の汚れを取る方法とか、水道の蛇口のパッキンを取り換えることなども、DIYの一分野である。

私の場合は、それほど大きなものを作るわけではない。これまで作った代表的なものと言えば、妻の使っているアイロン台とか、ホームページにも紹介した積ん読(つんどく)用の本棚とか、絵本の飾り台(写真)とか、絵を飾るための額などである。実用的なものとして家族から高い評価を得ているものに、「渡り廊下」がある。私の家は、親の家と隣り合っており、勝手口同士で行き来できるようになっているのだが、そこをつなぐ渡り廊下をDIYで制作した。それまでは、例え数歩程度とは言え、自宅から一旦地面に降りて、再度隣の家に上がらなければならなかったのだが、渡り廊下を設置してからは、スリッパのまま廊下感覚で行き来することができるようになって、2件でありながら2世帯のような、便利な空間となった。廊下と言っても、「巨大なすのこ」、と言った趣のもので、制作自体はそれほど難しくはない。ホームセンターで、2×4(ツーバイフォー)と言う規格品の木材が安価に入手できるので、頑丈なものでも比較的手軽に作ることができる。さすがに屋根を手作りすることは難しかったので、そこは業者さんにお願いして作ってもらったが。

この「DIY」、作ったもので日常生活を便利にするという側面よりも、むしろ「作ること・制作過程」に大きな意味がある。私に限らず、DIY好きに共通しているのは、制作の過程で「工夫を凝らすこと」に生き甲斐を感じるタイプの人間が多いことである。作るのが楽しくない人は、そもそもDIYなどやらない。この感覚は意外と大切なもののように思う。便利なものがたくさんある世の中、お店で買ってきたもののスイッチを入れれば、たいてい何でもできてしまう時代である。DIY好きは、これでは満足できない。何も工夫せずにスイッチを入れるだけ!では、単に機械に使われているだけではないか。自分の使いやすいように工夫して、手を加え、手入れをしてゆく感覚、これが私にとっての「DIYの感じ」なのである。それが、自分のカラダを使って、確かに生きている感覚につながっているような気がする。

DIYは、単なる日曜大工ではなくて、もっと奥深い世界を内包する、豊かな生き方だと思う。日曜大工と言うと、男性の趣味のように思われているが、DIYの専門誌「デューパ」(私もほぼ毎月愛読しています)には、実際、女性読者も増えているらしい。皆さん、21世紀をよりよく生きるために、DIYしましょ!
2010.1.11(月)

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Toshi's Profile

会社員(製造業・雇用延長)。元SE、元大学非常勤講師、元ロルファー。DIYと散歩とメモが趣味。Moleskineを持ち歩いている。愛知県岡崎市在住。
toshi@ueba.sakura.ne.jp
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