2024/04/14

毎朝、通勤電車の中で聞くラジオの内容を、会社に着いたら思い出してメモしている。還暦を前にして、記憶力の衰えを感じる昨今、少しでも記憶力を維持する鍛錬として、今年から始めた。電車に乗っている時間は約45分、電車を降りてから会社に着くまで徒歩約20分。ラジオの内容を覚えておくなんて簡単そうに思うかもしれないが、意外と忘れてしまうこともある。
聴いているのは”FM AICHI”で、最近まで、ルーシーやユッピーが出ていたホンダ・スマイルミッションという番組を楽しく聴いていたのだが、3月末で番組が終了(12年!の歴史に幕)、代わりに4月からユージのLetters for the nextが始まった。ここでは、SDGsに関連した取り組みをしている人や団体を紹介していて、とりあえずチェック。SUZUKI Today’s Key Numberでは、最近のニュースを特徴的な数字で紹介する。また、特に記憶力訓練に使っているのが、モーニング・ブリーズという番組内での Daily Wordというコーナー。今、世の中で流行りつつあるトレンドなモノや事を毎日1つ、教えてくれる。
このDaily Word、たいてい聞いたことのないワードで、たった30分程度の時間が経過しただけでも思い出せない。少し前に「マリトッツォ」というワードが紹介された日があった。マリトッツォとは、ローマ発祥の生クリームを挟んだパンのスィーツのことだが、今迄聞いたこともなく、とても覚えられなかった。多分、聞いたその時点で電車の中でググって画像とかを見れば覚えられたかもしれないが、それをすると記憶力の鍛錬にならないような気がして、ググらないようにしている。
それで、記憶しておきたい言葉をできるだけ映像化してイメージで記憶するように工夫している。自己流だが、いわゆるイメージ記憶法である。先日のワードは、「ネコノミクス」という言葉で、これは、ステイホームの影響でネコを飼う人が増え、猫グッズの販売額が増加して一定の経済効果を発揮しているという意味で、アベノミクスに引っ掛けて使われているらしい。その日は、別のニュースで、昔は小学校で使う鉛筆はHBかBだったが、最近の小学生は握力低下の影響か2B〜6Bの濃い鉛筆が主流になっているという話題があり、更に、エスカレーターの片側に乗るのをやめよう、という3つの話題をつなぎ合わせてこんなイメージを思いついた。エスカレーターの1段に1本づつ6Bの鉛筆が立っていて、その鉛筆の上に、顔が安倍前首相のネコが1匹づつ乗っていて、整然と上昇していくイメージ。さすがにこんな突飛なイメージなら忘れることなく、会社に着いても、3つの内容をメモに書き出すことができた。
この記憶法の訓練でわかったことは、イメージであっても単体では覚えづらく、少なくとも2つ以上の内容を関連させた動きのあるイメージで、しかも、平凡なイメージではなく、できるだけ突飛なものが効果的ということだ。ネコノミクスも単にネコのイメージでは記憶には何も残らないが、顔が安倍前首相のネコをイメージすれば覚えておける。そういえば、円周率を何万桁も覚えた人は、数字の組み合わせを語呂合わせでモノに見立ててイメージで記憶しているのだと聞いたことがある。
言葉の記憶は弱く、イメージの記憶は強い。単体の記憶は弱く、関係の記憶は強い。年齢を重ねても、考える人の脳はますます活性化して人生楽しくなる、そんな良いイメージを思い描いた。
2021.4.25(日)
写真:円周率